ネガティブな感情が止まらないとき疑いたい3つのこと

ネガティブな感情が止まらないとき、脳内では原因となった出来事が勝手にリピートされて、心はますますぐちゃぐちゃに…。でもその気持ち、まるごと自分の気持ちそのもの、と思わなくてもいいかもしれません。

こんなとき、疑いたい3つの可能性をご紹介します。

チェックしたいのは、睡眠・栄養・ホルモンバランス

1.「睡眠」

ネガティブ感情に振り回されているとき、あなたの「睡眠」は充分足りていますか?

というのも、「睡眠が充分ではないとき、私たちはネガティブな感情に対して、より過剰に反応してしまう」。ということが、文部科学省の脳科学研究戦略推進プログラムと、国立精神・神経医療研究センターの精神・神経研究開発費事業の一環として行われた実験の中で、明らかになっているのです。(出典元:「睡眠不足で情動不安定や抑うつに」 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」)

さらに、米カリフォルニア大学バークレー校が行った実験では、たった一晩の睡眠不足でも、不安を感じるレベルが、前夜と比べて30%以上上昇していることがわかりました。(出典元:「たった一夜の睡眠不足が心身にもたらす多大な影響 Forbes JAPAN)

つまり、私たちは睡眠不足の状態だと、ネガティブなことに過剰に反応しやすく、不安も高まりやすい。

傷ついたり、ショックを受けている感情自体は本物でも、いつもの自分以上に、増幅されて感じている可能性がある、ということなんですよね。

2.「栄養」

次にチェックしたいのは、「栄養」です。栄養バランスが良いかどうかは、心の安定に関わります。

たとえば、幸せホルモンと呼ばれる、心の安定につながる脳内物質「セロトニン」も、私たちの摂る食事が元になっているのです。だから、栄養バランスが悪いと、心が安定しにくく、ちょっとしたことをきっかけに、ネガティブなほうに転がりやすい状態になっているかもしれません。(参考:「トリプトファン」をとって、しあわせホルモン「セロトニン」を増やそう! 山梨県厚生連)

でも、しんどいときは、食欲が湧かなかったり、自炊する気力も湧きませんよね。

だからこそ、悪循環に陥りやすい。なので私は、必要な栄養素を含んでいるとおすすめされる食材の中から、あらかじめ手がかからず食べられるもの、をピックアップしています。(参考:「心の健康にも食事は大切!メンタルヘルスと栄養の関係」 サワイ健康推進課)

実際によく食べてるのが、豆腐、ヨーグルト、納豆。この3つは、そのままでも食べられるので、普段からストックして積極的に食べています。不調を感じても、作る気力がないとき、パッと食べられるのが助かります。

自炊するときに、意識して入れているのは、きのこ類、乾燥ワカメや、すりごま。きのこは、炒め物でも汁物でも加えやすくて使い勝手が良い上に、冷凍すると旨みも栄養価もアップするので、本当に便利です。乾燥わかめは、レトルトのお味噌汁にしたときでも、ワカメだけ追加したり、酢の物に入れたり。すりごまは、野菜と和えたりご飯にかけたりも。

買うなら、カツオのたたきが栄養バランスも良い上にコスパも良いので、よく食べています。

〇〇に良い食材、というのは本当にたくさんあって混乱しますが、結局自分の暮らしに合った食材を選ぶのが、いちばん続く方法だと感じています。

3.「ホルモンバランス」

さて、最後は「ホルモンバランス」です。女性特有のホルモンバランスの乱れ。怒ったり泣いたりした後、落ち着いて考えてみたら、ホルモンバランスが乱れる時期だった。なんてこと、ありませんか?

誤解されたくないのが、イライラしたり不安定になる原因がすべて、ホルモンバランスのせいと思われるのは、違うと感じています。

不快になる出来事や、傷つくようなことがあったとき、いつもなら心のバランスをとって、寛容になって見逃せることも、この時期には、バランスが取りにくくて、見過ごせない。という状態なんじゃないでしょうか?

女性ホルモンのエストロゲンは、排卵日直前にぐっと減ります。このエストロゲンは、体に作用すると、幸せホルモン「セロトニン」がたくさん分泌されますが、排卵日直前になると、このエストロゲンが減少するのに伴って、「セロトニン」の分泌量も減るのです。(参考:イライラする!涙が出る!生理前に情緒不安定になる理由と対策 マイピルオンライン)

つまり、この時期は、睡眠不足や栄養バランスが取れていない状態と同じで、心の安定が保ちにくい状態に陥っているということ。(症状の重い方は婦人科など専門医に一度ご相談ください)

ホルモンバランスの乱れは、自力でコントロールしたり、完全に抑えることはできません。でも、幸せホルモン「セロトニン」は、自分の行動で、その分泌を促すことができるんです。

たとえば、2つ目に挙げた食事で、栄養バランスを整えてその元となる栄養素をしっかり摂ることで。他にも、陽の光を浴びること、ストレッチやウォーキングなどの軽い運動も、「セロトニン」を増やすことがわかっています。

とはいえ、どれも気持ちが落ち込んでいるときに、新しいことを「やろう!」と思うのは難しいですよね。

そんなときは、自分で自分をハグしてみるのもおすすめです。「セロトニン」ではありませんが、同じく幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」は、母親が子どもと触れ合うことで生まれる“愛情ホルモン”としても有名。ですが、このホルモン、自分を撫でたり、ハグすることでも生まれることがわかっています。(参考:心を整える生き方のコツ 自分で自分を撫でてつくる小さな幸せ 大塚製薬のエルシリーズ)

どうしてこんなに…といつも以上の感情の乱れを感じたら、「私って…」と自分を疑うんじゃなく、この3つを疑ってみる。

簡単でいいからしっかりと食べて、寝る。自分をハグする、好きなことをする。

そんなふうに、自分を心身ともに満たす。

向き合うことがあるなら、そのあとです。

ネガティブな感情が出てくるのは、心や体からのサインで、自然なこと。「向き合おう」としているあなたを応援しています。

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