自分のネガティブな面にとことん向き合い
「自分で気づき、腑に落ちる」大切さを感じた人生の3つの転機
「考えて現状を変えられるような何かを見つけ出すことが喜び」その一方で、自分を否定する癖からは、なかなか抜け出せずにいた30年でした。
外では強気に、バリアを張って距離を取り。内側では、そんな自分を叱咤激励のつもりで責め続け、変われる何かを探し続ける。その繰り返しで、進学は心理の道を考えたこともありました。でも自分の心の弱さを自覚していたからこそ、その道は断念。
「考えて現状を変えられるような何かを見つけ出すことが喜び」であったため、大学では経営を学び家電メーカーの商品企画に。
仕事は充実していたものの、ずっと心を捉えて離さないものは、自分と人との関係性。
「自分で自分を整えられる場所」を作りたい。その想いを諦めきれず、退職。同時期に結婚し、手探りで始めるものの、ここから10年以上続く迷走期に入ります。
今思えばこの迷走期に自分を責め続け、自己否定を強化して、その根っこにある人間関係への不安も強化してしまいました。
転機その1 : 恐怖の引越し
そんな最中夫の仕事で、関東に引っ越すことに。
このとき娘は幼稚園児。未知の関東に、まだまだ母子セットでの付き合いが必要な年頃の子を抱えて、新しい環境に入っていくことを考えたら、「自分が人間関係で失敗したら、その害が娘に及ぶかもしれない」という恐怖から、大号泣。
状態のひどさに、夫からは病院の受診を勧められたことも。
とにかく強く思ったことは「娘に引越しを伝えるまでに、自分の気持ちを整理して、普通に話せるようにならないと」ということ。このままの状態で話せば、引越しは、「人間関係は怖いこと」と、彼女に誤ったイメージで伝わってしまう。
だから、自分の恐怖の原因に必死に向き合いました。それまでに自分が学んできたこと、インターネットの情報にも頼り、とことん自分のネガティブな感情に向き合って、37日後。
なんと自己否定の根っこにあった自分の気持ちを消化し、ようやくありのままの自分を受け入れることができました。
今思えば、このときの体験が、はじめてセルフ・コンパッション(自分への思いやり)を持てた瞬間。
この体験を機に、変化が起きはじめます。少しずつ、前に進めるようになったのです。
これまで何かをしようとするたびに「お前にできるわけがないだろ」「だからダメなんだよ」と、責め続けてきた頭の中の声は小さくなり、失敗しても、傷ついても、受け容れてあげられる自分ができました。
転機その2 : 夫との壮絶バトルの日々
自己否定が強かったときは、何でも自分が〇〇だったからと思い悩み、溜め込んで爆発することが多かったのです。でも、自己否定の根っこにあった感情を消化できたら、自分の気持ちも少しずつ出せるように変わってきました。
自己否定を解消する中で、自分の気持ちを出すことの大切さを痛感し、以来ぶつかっても、夫には気持ちを出すようになったら起こるようになったのが、壮絶なバトル。
価値観が真逆の夫婦で、「分かりあう」に辿り着くまでに、相当な時間がかかっていました。
でも、自分は何に怒っていたのか?どこに傷ついたのか?相手は何を大事にしたかったのか?
「分かりあう」ために必要なこと。それが掴めると、価値観がどれだけ違おうが、「分かりあう」ことができる、ということを身をもって学んだのです。
ちょうどその頃、アメリカの心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士が体系化された、NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)という対話のプロセスに出会い、夫とのバトルを抜け出すなかで掴んだのは、まさにこれだったと感じました。
さらにこのNVCは、自分への思いやりも育てることができるコミュニケーション方法でもあったのです。
自己否定を繰り返す頭の中の会話も、無駄に傷つけ合う言い合いも、湧き上がっている感情を手がかりに、「本当に大事にしたいものは何なのか?」
これを掴めたなら、思いやりある関わり合いに変え、見えていなかった新しい解決策を生み出せる。とわかったのです。
この経験をもとに、「自分も相手も傷つけ合う前に、本当に大事にしたいものを掴めたら」と生まれたのがこちらのワークショップです。
転機その3: 自己否定の理由。自分の個性を受け容れられた瞬間
自己否定の根っこにあったものが解消できたからといって、その日から自分のことを良く思えるわけじゃありません。
ずっと「ここが良くない、あそこが良くない」そう思ってきたものは、簡単には消えないのです。
その見方をぐるりと反転させてくれたのが、人の性格上の強みがわかるVIA、でした。
今や業界を問わず大きなうねりとなっている“ウェルビーイング”。その起点といっても過言ではない、ポジティブ心理学、という心理学の新しい方向性を生み出した心理学者マーティン・セリグマン博士や、クリストファー・ピーターソン博士。彼らを中心とし55名にも及ぶ科学者たちの研究の結果誕生したのが、人の性格上の強みがわかる、強み診断ツールVIA-ISです。
ただ、最初に自分のVIAの強みを知ったときは、自分の良くないと思ってきたところが、強みとして並べられた結果にひどくショックを受けました。
自分を否定し続けてきた理由、自分の個性、やめられない、ついやってしまうこと。これが強み…。自分にはこんなものしかない。
そんな風に感じて、それ以来放置。
それが数年後…あるアプローチで自分のVIAの強みを掘り下げてみたら・・・。
自分の中にあるVIAの強みの素晴らしさ。VIAの強みが、美徳と呼ばれる所以を、全身で味わうことができたのです。
その素晴らしさがわかったら、その強みを持つ自分のことも、わかるようになり…。そして、自分の個性を、自分を、受け容れることができたのです。自分を大切な誰かを思うように、大事にしていいんだと、初めて思えたのです。
こんな変化が起きると、その変化が次の変化を生んで、
自分の個性を、強みと思えたからこそ、ちゃんと強みとして活かそうと思えるように…。そして、自分を深く理解できるようになって初めて、誰かを本当の意味で理解して、思いやれるようになった気がします。
これらの実体験をもとに、「自分の強みの素晴らしさを全身で味わって、自分を本当の意味で受け容れられる体験を!」と生まれたのが、こちらのワークショップです。
正直こんなワークショップをやっていても、相変わらずちょっとしたことでつまずき、ネガティブ沼に落ちてしまう性分は健在です。
それでも、ネガティブになりがちだからこそ、必死に向き合って、考えて、必要な学びを得て、這い上がるときには、必ず何かを掴んできました。
そうして向き合う術を手に入れてきた。
だからこそ「自分で気づき、腑に落ちれば、人は自然と良い方向に進み始める」がモットーです。
学び、そして実際に大きな変化をもたらした実体験を活かしてワークショップを開催し、みなさまの表情が変わる瞬間を目の当たりにさせて頂くのが、今の私の最高の幸せです。